男女
同期から借りた、東野圭吾さんの「片想い」という小説を読み進めています。
体は女性だけど心は男性という、性同一性障害の美月という人が出てきます。
体も女性になりたいと言う美月と、その友達の理沙子との間で、こんなやり取りがありました。
理沙子「あなたは、その身体の、どこが気に入らないの?
そんなに嫌われる謂れはないって、あなたの身体は言っているよ。」
美月「俺は男として扱われたい。そのためには男の身体が必要なんだ。」
理沙子「それはつまり、人の、他人に対する扱いは、相手が男か女かで違うってことよね。
そもそも、それがおかしいと思わない?」
美月「おかしくてもそれが現実なんだから仕方がないじゃないか。」
理沙子「現実の方を改めようと思わない?」
美月「出来るわけがないだろ。世の中が変わらないから自分が変わるしかないんだ。」
理沙子「それは分かっている。だから、あなたの意見を尊重したいと思っている。
ただ、身体を変えて辻褄を合わせるのは妥協案に過ぎないと言いたかったの。
それから、女の身体であるというだけで美月が感じている苛立ちは、全ての女性が持っているの。
心が女性だから平気ってことはない。
慣れているだけ。そして諦めているだけ。」
そして理沙子の、「身体が女性だったために夢を掴むことが出来なかった」エピソードが出てきます。
まだ読み始めたばかりで、このあとどのような展開になっていくのかは分かりません。
でも、ここまで読んだ時点で、私は自分の会社のことを思い浮かべました。
男性10に対して女性が1、くらいの割合で仕事をしています。
女性であるためにイヤな思いをしたことはほとんどなく、恵まれていると思います。
ただ、同じ部署にいる、よく怒鳴る先輩から仕事中に怒鳴られていたときに、
周りの人が、「あの人って相手が女性でもああやって怒鳴るから偉いよね」と言っていたことがありました。
怒られるのは自分のミスだからしょうがないにしても、
私を怒鳴ることで先輩が評価される点が、ちょっと不快です。
就職活動をしていた頃、「女性にとって働きやすい職場か?」という点にも注意していましたが、
何かのパンフレットで、このような文章を見つけました。
「以前、営業に配属され、男性と同じくらい働きたかったけれど、出来ませんでした。
今は広報に配属されて、自分を活かせています。
女性には、女性に向いている仕事というものがあると思います。」
つまり、「女性を差別しない」というのは、「男性と同じ仕事を与えて、男性と同じように扱う」ということではなくて、
「男性に与えるのと同じくらいの、その人に合ったチャンスを、女性にも与える」ということだと思います。
それとは逆の話になりますが、本屋で「一流の男を捕まえなさい」みたいな本を立ち読みしました。
自分は一流の男性で、モテますと言い切っている男が書いた怪しい本なのですが、
その中で作者は、
「男性は仕事が出来る人こそ一流。女性はそんな一流の男性と結婚して家庭を守る。それ以外に幸せになる道があるだろうか。」
「神様のミスは、男性と女性の身体にあまり差を付けなかったこと。だから、女性が男性に混ざって働こうなんて考え出すんだ。」
などなど書いていました。
なんだこの作者はと思って苦笑いしながら立ち読みを進めたのですが、
でも、そんな幸せもいいなぁと思いました。
結婚してから、共働きの必要がないくらい落ち着いたら、
家庭を守って、旦那と子供のために生きる。うん、悪くない♪
彼氏に、「この世って男女平等だと思う?」と聞いてみました。
「ちがうね。」という答えが返ってきました。
その理由を聞いてみると、
彼(^_^)「女性がいつも流行を作っているから。
洋服を買いに行っても、メンズは1フロアしかない。
服の種類が少ないし、高い。
映画館も、レディースデイはあるけどメンズデイがない。
世の中はいつも、女性目線だし、女性のための商品ばかり出てる。
流行はいつも女性が作っている。
女性を敵に回すと怖いしね。
自分の都合のいいときに女性であることをアピールするしね。
男性が損してるよ。」
私(´▽`)「でも、去年のCDはAKBと嵐が売れたんだって。
嵐がなんで売れたのか知らないけど、AKBが売れたのは、男性が流行を作ったってことだよね?」
彼(^_^)「AKB・・・は、まぁ、そうだけど。
嵐が女性に売れたのは、もちろん嵐が女性に人気あるからだけど、
嵐が男性にも売れたのは、男たちがカラオケで嵐を歌うとモテると思っているからだよ。
男は結局、女性の機嫌を取りたいんだよ。」
彼氏は、「女にこんなことやらせるの!?」みたいに、女であることを盾に取る人を嫌っていますが、
でも、結婚したら自分が養いたいという気持ちは強いみたいです。
そして、女性にうんざりしているようなところも見せつつ、
でも女性を敵にしないで上手く扱えば経済が上手く回ると考えているところもあります。
私は、自分が「男女」というものに関して、どういう考えを持っていれば正解なのか、
決めるのが難しいところです。