数式

雄大な景色を見ていたら自分がちっぽけだと気づいた。

ここまではよく聞くような、よく本に出てくるような話です。

その次ですよ、その次。


高校の時、獅子座流星群を見て自分がちっぽけだと気づき、がっかりしました。

自分はちっぽけなんだから精一杯生きよう!と元気になれば良かったのですが、

ちっぽけな自分に生きる価値なんかないや・・・と、元気を無くしました。


ちょうどその頃、物理の授業で「波動」の分野に入り、

そこで衝撃を受けました。

「音」とか「光」を数式で表す!?!?

救急車が通り過ぎるときに音が低くなる、あの現象。

七色に光る虹やシャボン玉。

そんな「音」や「光」によって起こる現象を、

数式で説明することが出来る!?

このとき私は、物理をやっていこうと決めました。

自分の手で掴むことが出来ない「音」や「光」を数式で説明することが出来るのならば、

この世の中で数式で表せないものはないかもしれない。

物理を続けていればいつか私は、

人の心の動きなんかも全部数式で処理しちゃって、

そのうち、生きることの意味とか、

生まれてきた理由とか、

自分の価値とか、

全部、数式で理解出来る日が来るかもしれない!と。

生きることに意味なんかない、

生まれてくることに理由なんかない、

という結論にたどり着いてもいいんです。

それを、納得いく形で表すことが出来れば。


今だに、答えにはたどり着いていません。

でも数式で人を表す方法は幾つか見つけています。

私の一生のテーマ。のんびりと答えを探します。