セーラー服美少女戦士になる
自分が生きることの意味について初めて本気で悩んだのは確か小6のときでした。
小さい頃から習っていた水泳が一気に伸びて、県の大会で表彰台にのぼり、
優秀選手賞をもらったのが確か小5のとき。
そこから転落していったんです。
スイミングスクールのプールサイドに飾られた賞状が次の日にはボロボロに破かれる。
練習で使う道具が隠される。
週五日、18時から21時はスイミングスクールに通っていたため、小学校の友達の話題についていけない。
ドラマも見ていない、忍たま乱太郎の主題歌を私だけ歌えない。
初めての東北大会で決勝に残ったのにプレッシャーに負けてひどいタイムを出す。
自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、水泳を続けることに意味があるのか、
そもそも生きることに意味があるのか、と悩み始めて、
自分の生きる道が分からないのなら他人の生きる道を参考にしようと思い、
図書館でエッセイを借りて読みあさっていたのが小6の頃でした。
あの頃、私が未来に向けて唯一持っていた希望は、
中学生になってセーラー服を着るようになれば
自分もセーラームーンになれると思っていたことでした。
あるときルナかアルテミスがやってきて、
「あなたは悪と戦うセーラー服美少女戦士の一人なのよ!」と告げて、
ムーンプリズムパワーメイクアップ!って叫んでセーラームーンに変身するのだと思っていました。
今はグズグズ泣き虫で暗くて地味だけど、いつか、みんなに内緒で変身して、
自分の命をかけて妖魔と戦うのだと思っていました。
それまで頑張って生きようと。
セーラームーンになるまでに自分は強くならなきゃいけないと。
現実を知ったのはいつごろだったでしょうか。
中学校の入学前に親と一緒に制服を買いに行ったとき、
ブレザーだったことに多少とまどいましたが、
たぶんその頃には、たとえセーラー服を着たとしても自分がセーラー服美少女戦士になって悪と戦うことはないのだと、
薄々気づいていたような気がします。
その頃には私もだいぶ大人になっていて、
セーラームーンに変身することが出来なくても、自分は自分らしく、あるがままに受け入れて、努力して生きていこうって思えるようになっていた気がします。
高校の制服もブレザーでした。
ちなみに私が好きだったのは水野亜美ちゃん。セーラーマーキュリーです。
他のキャラクターと比較して技のパワーは弱いけれど、
頭が良くて優しくて穏やかで、
こんな女性になりたいと、ずっと思っていました。
今でもそう思っています。
セーラームーンが私の人生に与えた影響は大きかったですね。
最近はプリキュアというものが流行っているんですよね。
あのアニメも、子供たちに生きる希望や影響を与えるのでしょうか。